2012年2月17日金曜日

アサヒスーパードライホール 1989

スーパードライホールは、東京都墨田区吾妻橋1-23-1にあるリバーピア吾妻橋敷地内のアサヒビールの吾妻橋本部ビル(アサヒビールタワー)に隣接するホールである。1989年竣工。
アサヒビールの創業100周年を記念するための、新しいパワーを秘めたビルを実現するために企画された。
隅田川吾妻橋のたもとにあった旧吾妻橋工場跡地の再開発で建造された。
このホールの1階から3階にはレストランが入っており、4階はイベントホール「アサヒ・アートスクエア」がある。
基本設計は、フランスの有名デザイナー(建築家兼インテリアデザイナー)フィリップ・スタルクで、実施設計は野沢誠が選ばれた。
施工は大林組・鹿島建設・東武谷内田建設共同企業体 

巨大なシンボルと成りえる建物を設計するにあたって、スタルクは、スケールと関係なくビルをつくること。普通のビルをデザインしないことならびにシュールレアリスムの要素をいれることという提案を行なった。また、エネルギッシュな建物にするために、外観には、照明装置が埋め込まれたガラスブロックの階段、黒い御影石、ゴールドのオブジェを採用している。

オブジェについて
屋上には特徴的なゴールドの巨大モニュメントが設置されている。全長44m、重さ350t。本来は燃え盛る炎を形象した「フラムドール(フランス語 flamme d'or、金の炎)」と呼ばれるもので、アサヒビールの燃える心を象徴する「炎のオブジェ」とされる。エネルギーやパワーをあらわしているという。

原案では隣接するアサヒビールタワーを突き抜ける形で尾部が壁面に残る設計になっていた。しかし、ビールジョッキの形を損ね、また外壁メンテナンスを考慮して、現状のような逆の向きに変更された。
その形状と色彩から、しばしば「うんこビル」の別名で呼ばれることがある。その他、オブジェについては「オタマジャクシ」「クジラ」「オバケ」などの解釈がなされていた。

炎のオブジェ、プラスターの柱、円窓、階段手摺のオブジェなどは、図面を経ずに模型から直接具現化されたものである。「海底」をイメージたという店舗の内装や、各階ごとに異なる個性的なトイレなどに、インテリアデザイナーとしてのスタルクの才能が遺憾無く発揮されている。

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